print文で情報を出力する

これからPythonを使いいろいろな計算をしていきますが、その結果を表示するためにprintに続き丸括弧(...)の中に文字や式を入力します。printの機能をうまく使うことにより、複雑な計算結果をわかりやすく表示することができます。

print()による出力

文字列、数字、式の計算結果の出力

Pythonでは、次の通りprint()を使い文字、数字、式の計算結果を出力することができます。

  1. #1 print文で文字列、数字、式の計算結果を出力
  2. print('Hellow Python')
  3. print(100)
  4. print(100+50)

Hellow Python
100
150

  1. 2行目の'Hellow Python'のように、いくつかの文字が連なったものを、コンピュータの世界では文字列といいます。文字列を出力するときには、前後にシングルクォート(’ ’: single quote)を付けます。
  2. 3行目のように数字を出力するときには、シングルクォート(’ ’)を付けずに数字を入力します。
  3. print( )を使って、計算結果を出力することができます。

シングルクォート(’ ’)のかわりに、エクセルのようにダブルクォート(” ”)を使うことができます。ここでは、多くの書籍にならい、原則としてシングルクォート(’ ’)で統一します。

Pythonによる四則演算

単純な四則演算

Pythonは次の表により和、差、積の計算をします。

演算の種類 演算子: operator
足し算 + 1+2 → 3
引き算 - 10-3 → 7
掛け算 * 10*55-

記号のことを、コンピュータの用語で演算子(operator)といいます。掛け算は通常の数学とは異なりますが、excelや多くのプログラミング言語では*(アスタリスク)を使います。

  1. #2 Python での和、差、積の計算
  2. print(7+3)
  3. print(7-3)
  4. print(7*3)

10
4
21

printの機能で計算結果を表示することができます。

計算をする順序

いくつかの演算を組み合わせる式の場合、通常の計算式と同じように積、これからご紹介する商が優先して先に計算され、その後に和、差が計算されます。また、和、差を先に計算させたい場合にはカッコ( )を使って計算します。

  1. #3 変数を使って出力
  2. print(5*4+3*2)
  3. print(5*4-3*2)
  4. print(5*(4+3)*2)
  5. print(5*((4-3)*2-1))

26
14
70
5

5行目のようにカッコ( )を二重、三重に使わざるを得ない場合、中括弧{ }ではなく、小括弧( )を使います。printの機能の括弧と併せて左括弧(と、右括弧)が対応していないとエラーになるので注意が必要です。

変数を使って計算結果を出力する

変数を使って表示を簡単にする

変数を使ったプログラムの例

複雑な数式をprint()の中に入れ込むと、プログラムを書く手間がかかり、みづらくなります。そこで、あらかじめ計算結果を変数に代入してから出力するのが一般的です。変数は、数学で勉強した方程式のx,yに近いものです。ここでは、priceという変数を定義し、そこに計算した結果を代入してからprintの機能で出力します。

  1. #4 文字列を変数に代入して出力
  2. print('金額は1000円です。')
  3. text='金額は100円です。'
  4. print(text)

金額は1000円です。
金額は100円です。

変数には、数字だけではなく、文字列を代入することもできます。変数の名前は、それが何を示しているか後で見て分かるよう考えます。ただし、変数の名前には次の規則があります。

  1. 変数の名前は一般的には、英字(a,b,c,・・・)、数字(1,2,3・・・)および_(アンダースコア)を組み合わせます。ただし、1文字目に数字は使えません。
  2. 英大文字も使えますが、特別な使い途があります。また、漢字など全角文字も使えなくはありませんが、思わぬところでエラーを引き起こす可能性があります。
  3. and,try,class,fromなど特別な用途に使われるキーワードと呼ばれるものは変数として使うことはできせん。
  4. sum,all,min,max,roundなどはこれらには別の特別な機能があります。変数として使うことはできなくはありませんが、一度変数として使ってしまうと、その別の特別の機能が使えなくなってしまいます。
  5. 詳しくは次を参照してください。

3のキーワードについて

4の特別な機能について

5変数名の考え方について

変数の名前でエラーになる場合

  1. #5エラーになる文字列の例
  2. 8a='金額は100円です。'
  3. and='金額は100円です。'

File "", line 1
    8a=='金額は100円です。'
     ^
SyntaxError: invalid syntax

  1. 2行目で”8a”という名前は、1文字目が数字なのでエラーになります。
  2. 3行目のandは特別な用途に使われるキーワードになるのでエラーになります。
  3. 実行結果の”SyntaxError”とは構文エラーと訳され、プログラムの文法上おかしいことを示しています。

変数の表示方法

printの機能で複数の数字、文字、変数を表示する

printの機能で変数のみを表示しても、その内容がうまく伝わらないことがあります。そこで、,(カンマ)で区切って複数の変数、数字や文字列を表示することができます。

  1. #6 文字列を変数として出力
  2. price=1000
  3. print('金額は',price,'円です。')

金額は 1000 円です。

,(カンマ)で区切った前後が、少し間をあけて1行で表示されます。

print文でより分かりやすい表現をする

さらに一歩進んでPythonでは文字列と変数を結合させ、書式を見やすい形にしてから出力することができます。このとき変数を{ }(波括弧:curly braces)の中に記述し、’ ’(シングルクォート)の前に”f”という文字を付ける必要があります。

  1. #7 文字列を変数として出力
  2. price=1000
  3. print(f'金額は{price}円です。')
  4. print('金額は{price}円です。')

金額は1000円です。
金額は{price}円です。

4行目のように”f”を付けないと、波括弧とその中の変数が文字列として表示されてしまいます。ちなみに”f”はformat(書式)の略になります。また、この表示方法をフォーマット済み文字列リテラル(Literal String Interpolation)といいます。

分かりやすい表現を変数に代入する

フォーマット済み文字列リテラルによると、変数に値を代入して、その変数をprintの機能で出力することができます。

  1. #8 文字列を変数として出力
  2. price=1000
  3. text=f'金額は{price}円です。'
  4. print(text)

金額は1000円です。

Pythonではprintの機能を使い、さまざまな表現をすることができます。printは正式にはprint関数といわれ、さらにいろいろな機能があります。