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セビージャの黄金の塔

セビージャで目を引く建物の一つに、黄金の塔(スペイン語:Torre del Oro、英語Tower of Gold)があります。イスラム教徒がスペインは711年に侵入すると、瞬く間にほぼ全土を掌握します。セビージャも、712年にイスラム教徒に支配されました。もっともイスラム教徒の中でもいろいろな王朝が興亡を繰り返し、セビージャは1130年に興き、北アフリカとスペイン南部を支配したアルモハド朝の首都であった頃もありました。黄金の塔は、そのアルモハド朝ムワッヒにより1220年から1221年にかけて建てられました。

当初はグアダルキヴィル川を挟んでもう一つ建てられており、その間に重い鎖を渡し、上げ下げすることで船の通行を制限したとそうです。さらに現在は写真のとおり石の壁になっていますが、もともとは、セビージャの繁栄を誇示するため金色のタイルが一面に貼られていたそうです。黄金の塔といわれるゆえんです。

しかし、スペインではレコンキスタと呼ばれるキリスト教徒による国土回復運動が起き、1248年にカスティーリャ王国のフェルナンド3世によりセビージャは奪還され、アルモハド朝は1269年に滅んでしまいました。

1500年代に入り大航海時代を迎えると、スペインは南北アメリカ大陸との貿易の利権を握ります。セビージャには通商院が設置され、すべての船はセビージャにつくように定められていました。嵐や海賊の襲撃を避けるためにほかの港に入っても、乗組員はその港での上陸を禁止されたとのことです。黄金の塔は金銀の保管庫として使用されました。1755 年のリスボン地震の被害が1760 年に、損傷が修復され、今は、海の博物館(MUSEO NAVAL)として歴史的な書類や昔の船の操縦機器等が展示されています。

 

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