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マクロ経済スライド

2019年度の公的年金、つまり国民年金や厚生年金においては、マクロ経済スライドが実施されるとの見通しが報道されています。ところが、この「マクロ経済スライド」という制度、非常に分かりづらいので、少し深堀りしてみたいと思います。

まず、公的年金は条件を満たせば、権利を失うまで(多くの場合は死ぬまで)毎年、決まった金額を受け取ることができる制度です。ところが、年金の額がずっと変わらないとすると、物価水準が上がれば、年金で去年と同じだけの生活を営むことができなくなってしまいます。また、物価の上昇を超えて現役世代がもらう賃金が増えると、それに合わせて年金の額を高くしてほしくなります。

そこで、公的年金には物価水準に連動して年金の額を見直す物価スライドや、賃金の水準に連動して年金の額を見直す賃金スライドという制度があります。

ところで、将来、少子高齢化が進み、年金財政が厳しくなることが予想されます。そこで、仮に物価や賃金が2%上昇しても、年金の上昇率は2%ではなく1 %に抑える制度をマクロ経済スライドといいます。

マクロ経済スライドは制度としては2004年に導入されましたが、実際に発動されたのは2015年の1回だけで、2019年に実施されると2回目ということになります。

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