株式市場に上場していない意外な会社

上場していない意外な企業

ダイソー

百円ショップにいくと、「こんなものが100円で売って儲かるの?そもそもいくらで仕入れているの?」と思ってしまいます。こんなときは損益計算書を見て売上高と売上原価の比率を見れば原価率、つまり売上に対する原価の比率を知ることができます。そこで、ダイソーのホームページから有価証券報告書を隈なく探しましたがどこにもありません。なぜかというとダイソーは株式会社ではあるけど上場していません。ということは、証券取引所を通して一般人が株式を購入することができないのだから、必ずしも企業の情報を開示する必要がないのです。ダイソーは現在の社長、矢野靖二さんのお父さん、矢野博丈さんが1972年(昭和47年)3月家庭用品の販売を目的として矢野商店を創業したのがはじまりです。1977年(昭和52年)12月に株式会社大創産業となりました。資本金 27億円、売上高は4,548億円(2018年3月現在)われわれの生活にはなくてはならない存在となっていますが、こんなすごい企業でも証券取引所に上場していなことがあります。

上場のメリットとデメリット

株式を上場すると次のメリットがあるといわれています。

  • 幅広い投資家から株式を購入してもらえるので、事業に必要な資金を大量に集めることができる。
  • 上場しているということは証券取引所の厳しい基準をクリアしていることを示すので、企業の信用度が増し、従業員のモチベーションも上がる。

ところが、次の理由から上場する基準を満たしているのに上場していない企業もあります。

  • 上場すると、株主総会で株主からいろいろな意見が出ます。こうした意見を取り入れることで、幅広い視点で経営を考えるできる反面、経営者の自由な発想で経営を進めることが難しくなる。
  • 証券取引所を通して、どこかの企業が自社の株式を大量に買い付け一定の比率を保有するようになると、株主総会の決議はその企業の思うとおりになってしまう、つまり買収される恐れが生じる。
  • 上場するということは多くの人に株式を購入してもらうことになるので、有価証券報告書を作成して開示する必要があります。開示するためには相当のコストがかかる。

ダイソーの場合おそらく個人商店から着実に成長してきたので、株式市場を通して大量に資金を集める必要もなく、逆に自由な経営ができるということがあり上場していないのだと考えられます。もっとも、同社は次の方に事業を継承する時期に来ているので、今後、公開するとのうわさもあります。

サントリー

これと似た理由で上場していないのがサントリーです。正式名称はサントリーホールディングス株式会社といい、主力商品は何といってもウイスキーです。ウイスキーは仕込んでから製品と出荷するまで何年も樽で熟成する必要があります。上場しないのは、短期的な利益を要求する株主の意見に左右されたくないためであるといわれています。また、同社はサントリー公益財団法人を設立し学芸賞を設けるなど幅広い文化事業を行っています。こうした事業も株主から、直ちに利益を生まないのだからリストラしろといわれないためであると考えられています。もっとも同社の子会社の1つサントリー食品インターナショナル株式会社は2013年7月に東京証券取引所市場第一部に上場しており、サントリーホールディングス株式会社が株式の59.4%を保有しています。同社はウイスキーなどアルコールではなく、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品を製造販売しています。

Posted by ictsr4