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教室における生活指導について

職業準備において、休憩からの戻りの時間、服装挙げ句の果てには課題の提出の方法など、「ここは仕事のためのトレーニング」ということで一つ一つルールを決めてビシビシとクラス運営をすべきであるという考え方があります。多くの学校では、そういったことを目的としながら、日々ルールをきっちり守らせるのは難しい、中には反抗的な受講生に手を焼く、というが実態ではないかと思います。

一方で、まず良い内容のプログラムをしましょう。そうすれば、受講生たちは自然と社会人としての当然のルールは守るようになるし、どうすれば全体の雰囲気が良くなるか、主体的に動くようになるとの考え方があります。

考え方としては一長一短ありますが、私は典型的な後者のタイプです。これまで、よほどのことがない限り細かいことを言ったことがありません。でも、卒業間近になると何となく良い雰囲気になって(もちろんこちらの熱意が伝わっていることが前提ですが)就職してからもマナーが悪くて・・・というような苦情を聞くことはありません。しかし、同僚からの評判は必ずしも良いものではありません。

でも、受講生が、このトレーニングを受けることにより成長していることを実感している、受けて良かったと思えば、彼らは決して講師に対して牙をむくことはありえないと考えます。

競馬においても(受講者を馬に喩えるのは不謹慎かも知れませんが)、並のジョッキーは少しでも速く走るようにやみくもに鞭で叩くことをするが、そうすると馬はやる気をなくしてしまうそうです。腕の良いジョッキーは、ここ一番のタイミングで体が伸びる所を見計らって、肋や尻に軽く当てるように効果的に使うそうです。中には、馬体には当てず、馬の目に見えるように鞭を振って見せたり、風を切る音を聞かせたりする「見せ鞭」で効果を発揮し、全く打たずに済む場合もあるそうです。

「多くのレースは、鞭によって失われる」ということばがあるそうです。受講生の箸の上げ下ろしに目を光らせていちいち小言をいうために使うパワーをトレーニングの内容の向上に集中して、受講生の満足度を上げることに集中していきたいと思います。このことは、強制力によって表面上の秩序を保つことよりもはるかにしんどいことですが、努力を継続することにより対応力が積み上がっていき、そして何より楽しい。

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